先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

やーいやーい鬼課長に睨まれてやんのー
ちょっとだけスーっとした。

「西川さんすんなり帰ってくれて良かったですね」

花笑さんの方を振り返ると、花笑さんの目が赤くてちょっと涙目で、頬もほんのり赤かった。

「えっ花笑さんどうしたんですか?」

「えっ何が?」

「目が赤いですよ!はっ、まさか課長に一人で怒られてたとか?!」

鬼課長め!花笑さんに何をした?!

「え、えっと何でもないよ!大丈夫!目にちょっとごみが入っただけだから」

あわてて花笑さんは涙をぬぐって笑った

「ほんとですか?課長にひどいことされてません?」

「そっそんなことされてないから!」

なんだか挙動不審「大丈夫大丈夫」と自分に言い聞かせてるみたいな…ジト目で花笑さんを見たけど、
「ほら知佳ちゃん終業時間とっくに過ぎてるから」と、私を急かして「残業手伝いましょうか?」と聞いても「すぐに終わるから大丈夫」と私を帰そうとしてくる。

「わかりました、じゃお先に帰りますね」

「うん、知佳ちゃんお疲れ様」

仕方なく素直に帰ることにした。
花笑さんがホッと胸を撫で下ろしてるとは露知らず…
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