先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

「松崎、ちょっとこい」

「じゃじゃあ続きは後でね。逃げないでよ!」

山片課長が花笑さんを呼んだので西川さんはスゴスゴと引き上げて行った。

「逃げるなって何!」

あきれた、なんなのあれは!

花笑さんはふうっと小さくため息をついて、

「知佳ちゃんごめんね」

といって課長と隣のミーティングルームに行ってしまった。花笑さんは何も悪くないのに!

なんだかムカムカしながら仕事をしてたら終業時間は過ぎていた。

「ちょっと松崎さんは?」

ムッまた西川さんが出てきた!ちょうどその時花笑さんと課長が戻ってきた。

「さ、松崎さん行くわよ、ゴ・ウ・コ・ン」

なんてしつこい西川さん、花笑さんはいやだって行ってるのに!

「西川さんすいません、課長から残業するように言われて行けそうにないです」

「なんですって!そんなの夏野さんにでも…!」

西川さんは私にでも残業変わってもらいなさいとでも言いたかったんだと思うけど言葉が途切れた。
西川さんが固まっていてその目線をたどるとそこには鬼課長が!ぎろりとこちらを睨んでいた!
やっぱり怖いです鬼課長!

「い、いいわ今日は……じゃお先に…」

といって西川さんはまたスゴスゴと帰って行った。

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