先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

「はあ?なにそれ!小山に言われたくない!」

「お前なあ、俺一応先輩ね。呼び捨てにすんなよ」

「小山は小山で十分よ!」

苦笑いの小山に噛みついてひと睨みし、また外を見る。
流れる景色を見ながら窓越しに見える小山を見たら、窓に肘を掛けこちらを見ている目と合った気がした。
ハッと思って目を瞑る。

なんなのよいったい!

小山は背も高くないし、顔も中の上くらい、いつもへらへらして、山片課長にどやされて、気付いたらちょろちょろと人の周りをうろついてる奴。
邪魔、って思うこともあるけど、あれで結構気が利いているとこもあって困ってる人の所へ行って手助けしたりして、私も助けられたことは何度もある…。
性分なのか変なことを言ってはみんなに笑われていることもしょっちゅう。
そんな奴が…、あんな色っぽい目で私を見てる・・・。

思わずドキッとしちゃったじゃない!小山のくせに!

偉そうなことまで言って。
誰も私の事見てくれないじゃない。
だから自慢のボディで気を引きつけていい男ゲットしようとしてるのに邪魔されたくない。
でも…、それでも私はいつの間にか一人。

もう、どうしたらいいのよ…。

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