先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

「課長…」

「航さん……」

置田くんと花笑さんの声が重なった。

「へぇ、山片さん、やっと腹括った感じですか?」

日野さんは二人のこと知ってたみたいでにやりと含み笑いをしてらっしゃる。
その顔も魅惑的…心の中でキャーと叫んだ。

「ああ」と一言言って振り返えって花笑さんと見つめ合っちゃったりして、鬼課長のイメージが壊れるくらい優しい顔をしてる!花笑さんも嬉しそう。

「えっ何?何ですか!あっそういうことっすか?!」

一人状況の把握ができない置田くんもなんか察したよう。

ふふーんと、生暖かい目で課長をみてたら居たたまれなかったみたいで、
「なんだよ…」と言ってくるから、

「私知ってるんです、課長と花笑さんのこと。昨日聞いちゃいました」

と言ったら気まずそうな顔して花笑さんに、「お前~」なんていってるけどそんな顔も優しくて、
花笑さんは「ごめんね」と言いながらもやっぱりニコニコ。

「あ~やっぱり付き合ってたんですか~~~花笑さんは俺の癒しだったのに~」
なんて、置田くんは一人悔しがって、「ま、諦めろ」と日野さんに慰められている。

「こいつは俺のだ。他を当たれ」

と言って花笑さんの手を引いてスタスタ行ってしまった。
おお~これが俗にいう独占欲というやつですか。
なんて思いながら二人を見てたら、

「やれやれ、やっとか」

と言ってため息をつく日野さん。
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