先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

「姉貴のためにもちゃんと話してくれよ…」

置田君の気持ちを思うと私が怖がってばかりいられない。

「あ、あの、私が悪いんです。勝手にいつまでも怖がって。知ってしまった置田君が苦しそうで……すいません」

頭を下げる私を見て、そっぽを向いていた操さんは何度目かのため息をついた。

「わかったわよ。何を聞きたいの?」

「姉貴が花笑さんに嫌がらせしてたって本当か?」

「はぁ…、私は、何もしてないわ」

「え…?」

「最初は、総務の子達にあの人にまとわりついてる子がいるって聞いて、釘を刺すためにあなたと会ったけど、その後は私は何もしていない」

「本当に?指示してやらしてたとかは?」

何も言えない私に代わって置田君が疑り深く聞く。

「指示も何も。大体その総務の子達もそんなに仲良かった訳じゃないわ」

「え、じゃあ、散々嫌がらせしてたのは……」

「その総務の子達が勝手にやってたことよ」

「そ…んな…」

私は関係ない操さんをずっと避けてたってこと?
唖然とする私に操さんは気まずそうな顔をして目を逸らす。
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