セナカアワセ

第1節 ごめん 遙人side

なんで、那美香が由果のこと、、、、、、




まさか、あいつ、那美香に余計なこと言ったのか?




そう考えたら俺はこないだのカフェまで全速力で走った。




店のドアをバンっと開けると、こないだと同じ席に由果が座っていた。




「あ、えと、来てくれてありがとう。」




由果は戸惑いがちにそう言う。




なんだ、これは、、、、、、、




どういう流れなんだ、、、、、、




俺は乱れていた呼吸を整えながら、由果の前に座る。




「あのね、今日呼び出したのは、その、えっと、謝りたかったから。」




「は?」




「今まで、たくさん傷つけて、ごめんなさいっ!!」





そう言って頭を下げる由果。




俺はびっくりして、固まったまま動けない。





「えと、、、、由果?」




「私間違ってた。あの時、道路に飛び出したら遙人が追いかけてくれるって思って。事故になるなんて考えてなかったの。、、、病室でバスケしないでって言ったこと本当に後悔してる。だって、私っ、バスケしてる遙人のこと好きだったもん。」




大粒の涙がテーブルに次々落ちていく。





俺はその姿を黙って見ていた。




< 130 / 160 >

この作品をシェア

pagetop