セナカアワセ
「でも結局、私の元にいて欲しかったのに、自分で遙人のことを遠ざけてた。あんなことして、いなくなるのが当たり前なのにっ。この間も那美香ちゃんと付き合うななんて、自分勝手なことばかり。っ、本当にごめんなさい。」





許してくれなくていいから、話聞いてくれただけでいいからと由果は言った。




「正直、由果が謝ってくれるなんてびっくりした。それに、由果がそんなに俺のことを好きでいてくれたなんて驚いた。、、、本当のこと、言ってくれてありがとう。、、、俺も悪かったんだ。だから、これでもう終わりにしよう。」




そう言って手を前に出した。



「握手。これでもう、今までのことは水に流して、これからは友達としてまたよろしくな。」




俺がそう言うと、由果は涙を拭いてこっちを見た。




「うん。、、、ありがとう。ごめんね。、、、もう一度やり直そう。」




握った由果の手はちょっと震えていて、懐かしい感じもしたんだ。




「てか、俺、もう一個気になることあるんだけど。」




「うん。なに?」





「なんで那美香のこと知ってるの?さっき、那美香にここに行けって言われたんだけど。」




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