【完】さつきあめ
その日の営業。確かにレイの客数は凄かった。そして彼女の言う通り、山岡という若い社長であろうお客さんが特にすごかった。売り上げのほとんどがこの人で担っていた。
「ひゃぁ~なんかすごい子が入ってきちゃったねぇ」
「うん…しかも光の知り合いらしくてすごい子らしい」
「社長に認められた女の子は売れる説ね」
営業終了後、美優と話しながら更衣室に行こうとすると、顔を真っ赤にした綾乃がお店に入ってきた。
「ゴホッ…ゴホッ…」
綾乃は今日、風邪でお店を休むとのことだった。
明らかに具合の悪そうな顔をしていた。
「綾乃~!なにやってんの?!大丈夫?!」
「ゴホゴホ、大丈夫。病院行ったし、ただの風邪。
お店に忘れ物してとりにきたの」
「言ってくれたら家まで届けたのにぃ…。」
「いや。そこまで迷惑かけらんないわ…」
綾乃を支えるように更衣室に行くと、中から大きな怒鳴り声が聞こえてきた。
3人で足を止め、話に聞き入る。
「そういうの、僻みっていうんですよね?」
「はぁ?!あんた生意気なのよ!新人のくせに!」
「だって指名が取れなきゃレイのヘルプに着くの当たり前でしょ??
それが嫌ならヘルプになんかつかなくていいくらい指名とってくださぁ~い!
売り上げを上げれない女の子なんてこの店にいる必要ないでっしょ~?」
「ちょっと今日目立ってたからって、あんたね!」
「うるさいなぁ。レイ、指名ない子眼中にないから。
ねぇ、そこで黙りこくって座ってるはるなさん、だっけ?
一応シーズンズではナンバー1なんだよね。
売上表みたけど、あの程度の売り上げでナンバー1なんて、レイ笑っちゃったぁ」