【完】さつきあめ
「そのままってなに?!」

「俺はお前にだけは汚い人間になってほしくない…
俺のようになってほしくない」

「言ってることがわかんないよ…。魔法をかけて、夢を叶えてっていったじゃない…」

「俺の言ったことはそういう意味じゃなくて…」

「あたし、レイさんには絶対に負けたくないの」

きっぱりと言い放ったら、光はまた悲しい顔をした。
強く真っすぐとした瞳を持つ光は、たまにこんな顔をした。
わたしががむしゃらになればなるほど、光を傷つけているなんてこの時は思いもしなかった。


レイが入ってきたその日から、お店の雰囲気はがらりと変わってしまった。

「深海さん!山岡さんには出来るだけ多くつけてって言いましたよね?!」

この仕事をする女の人は気が強い人がとても多い。
その中でもレイは深海が手を焼くほど気が強かった。

「レイ、けどさ、お前の客沢山指名で来てるんだぞ?」

「山岡さんは特別なお客さんなのっ!
お金も落とす額は人より多いけど、その分レイをずーっと独り占めしたいタイプなのっ!
他の客なんか切れたっていいから、山岡さんに多くつけてってば!」

「レイ、そうは言っても…」

「ほんと、むかつく。光にいいつけてやる」

天使のような可愛らしい笑顔とは裏腹な、悪魔のような裏の顔。
それでも売り上げをあげてる子には何も言えない。

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