【完】さつきあめ
「中学生の子供さんがいるようには全然見えない…」

「仕事ばっかりであんまり家に帰ってあげれてない、ダメな父親だけど」

「でもこんなかっこいいお父さんがいるなんて幸せ者ですねぇ!」

「ほんっとさくらちゃんは褒め上手だね!
指名して良かった!」

父親というよりかは、どこか少年ぽさの残る人だった。

その後も4人で盛り上がり、明日Wで同伴する約束もした。


「ね~あの2社長ちょ~いい人だったねぇ~!さくらと同伴楽しみぃ!」

「ね、そだね」

更衣室で着替えながら、美優と話している間も桜井の事が頭から離れなかった。
お店から出てすぐに「今日は楽しかったよ!明日も楽しみだね!」とラインが入っていた。

「へ~んなの!」

「え?!」

身を乗り出し、美優がわたしの顔を覗きこむ。
そしてはぁ~っとため息をつく。

「似てるもんね~」

「え?!何が?!」

「桜井さんと社長!雰囲気柔らかくて、オーラもあって、王子様系。もろさくらのタイプじゃん!!!」

「え!!ないない!!」

「絶対あるって~!!
あの人確かに優し気だし、いい人そうだし、あのルックスで社長ってギャップもあるけど
結婚してるんだよー?!!好きになっても悲しいだけだからねー!!」

「はぁ?!好きになるわけないでしょ?!」

「そんなのわかんないもん!!あの人絶対さくらのタイプだと思うもん~!!
あたしはさくらには幸せになれるような恋をしてほしいよぉ~…」

「美優ちゃん…」

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