【完】さつきあめ

「ぷっ、やだ…可笑しい…この子。
さくら、顔が小さくて目が大きいは褒め言葉よ?!」

「え?!え?!えぇーーーーー?!」

「あ、すいません、変な顔っていうか変わった顔してるなって思って
あんまり見た事ない顔だったんで、言い方が悪かったです。
本当は綺麗だなって言いたかったんだけど、俺言葉足らずってよく言われるんで」

「…はぁ」

褒められてるんだか、貶されてるんだか。

バランスも良く均等の取れた顔で、小顔でスタイルも良い。
でも口を開けば人を誤解させる言葉ばかり。
それが同い年で、立場は違えど、似ている理由でこの世界に入ってきた涼との出会いだった。

「おいおい、涼~俺のお客さんになんていうこと言ってくれてるんだ」

「遥ー!この子めっちゃ面白い!あたしは好き!」

遥が戻ってきて、何となく凜は遥と話し始めて
わたしは仕方がなく涼と話す羽目になってしまった。

「えっとー、さくらさん焼酎でいいんですか?」

「うん!焼酎でいいよ!
あと、さくらでいいよ!あたしと涼くん同い年だし」

「え、おま、同い年?!老けてる!!」

ほんと、なんて失礼な奴なんだ。


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