何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。



「桜ー! 今日は窓際で食べよー!」


昼休みが始まってすぐ、窓側の方の席を向かい合わせになるようにセッティングしながら、詩織が大声で私を呼んだ。


「うん」


私はリュックからお母さんお手製のお弁当を取り出すと、小走りで詩織の方へと向かう。

ーー泥棒濡れ衣事件が起こったあと。

クラスのみんなに以前より馴染めた私は、あまり一人でいることはなくなった。

特に詩織とその友達とは、急速に仲良くなり、気の置けない付き合いができるようになったと思う。

昼休みも、今みたいにお昼を一緒に食べるのが習慣になりつつある。

詩織の話によると、もっと前から一緒に過ごしたかったらしいが、私が昼休みがはじまるとすぐにどっかに行ってしまうので、声をかけるタイミングがなかったらしい。

チャイムと同時に速攻で人気のない中庭の隅に行って、昼休み中過ごしていたからなあ。


「桜っち、この前借りた本、やばい面白さだったー! ありがと」


席に着いてお弁当を食べ始めると、詩織と中学生の頃から友達の、加奈ちゃんが言った。

本日のお弁当メンバーは、私の他には詩織と加奈ちゃん。

これ以外に、運動部の子達が何人か加わることも多かったけど、彼女らは何かと忙しいので、帰宅部の私、園芸部の詩織、文芸部の加奈ちゃんが固定メンバーだった。
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