純真~こじらせ初恋の攻略法~
「だってさ」

ちょっと考えてみてほしい。

愚かな私は中学生でクラスメートの策略にまんまと嵌り。

貴重な青春時代に男性を信用できなくなり、自分から誰かを好きになることを諦めた。

そんな私でも好きになってくれた人の努力のおかげで、お付き合いまで発展することもあった。

しかし結局誰に対しても本気になることができず、相手を傷付けて終わりを迎えた。

あの時から今まで、こと恋愛に関しては本当に何一ついいことがなかったというのに……。

当の本人はあっさり勝ち組の男を捕まえて結婚し、おまけに出産ときたもんだ。

これはもう、笑うしかない状況じゃないか。

「茉莉香の気持ちはよくわかるよ。私も開いた口が塞がらないもん」

私の肩にもたれかかりながら、奈緒が眉を寄せてそう言った。

そんな私達の心情なんてお構いなしに、女の噂話はどんどん大きくなっていく。

「そもそも産気付かなかったら、今日も平気な顔してここに来てたんだろうね」

「茉莉香にどんな顔して会うつもりだったんだろう」

「やだぁ。怖すぎるぅ」

「私だったら逃げるわぁ」

如何にも私達三人の過去を知っているかのような物言いだ。

由加里のしたことは許されるものではないけれど、いない人に対するこの人たちの言い方には不快感しかない。

次から次に出てくる由加里に対する言葉の数々が、とても友達の言葉には思えなくて。

「あのさぁ……」

私はとうとう我慢できなくなって口を開いてしまった。
< 171 / 199 >

この作品をシェア

pagetop