純真~こじらせ初恋の攻略法~
不快感から大きくなった声に、固まっていた女性グループが一斉に口を噤んで私を見つめた。

一瞬『しまった』と思いはしたが、昔の私ならともかく、今の私は止まらない。

「あなたたちさ、由加里の友達なんじゃないの?友達だからこそ近況だって知ってるわけだよね?」

勝ち組男を捕まえたことも、デキ婚したことも、同窓会に参加する意思があったことも、ましてや今日、産気付いたことも。

全部親しい間柄だからこその情報だろう。

「なのに陰で何言ってんの?どんな顔して私に会うつもりだったのかって?あんた達こそ、どんなつもりで私にそんな話聞かせてんのよ」

こんなことを私が言うなんておかしいと思う。

由加里が陰でどんなことを言われていようが、私には何の関係もないし、正直言ってざまぁみろとも思う。

しかしやはり、聞いていて面白いものではない。

いや、どちらかと言えばものすごく不快だ。

私達をここまで振り回した張本人が、こんなところでこんな言われ方してんじゃないわよ。

そう思うと私は口調を荒げてしまっていた。

気が付くといつの間にか静まり返り、全員が私を見ているではないか。

「やるな、茉莉香。全員注目だ」

静寂を破ったのは、ニヤニヤしながらこの状況を楽しんでいる田原くんだ。

「本当。茉莉香は時々、周りが見えなくなるもんな」

冷静にビールを飲みながら、小沢君までがそんなことを言う。

それに対して藤瀬くんまでが。

「俺達は茉莉香のことわかってるってオーラ、出すなよ」

なんて意味の分からないことを言い出してしまった……。
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