純真~こじらせ初恋の攻略法~
「結婚……?」

私の中では『この設計図を描き直して、将来的に先を見据えよう』という意味だと思っていた。

昨日の今日で結婚というワードが出るとは思いもしなかった私は、目を丸くして裏返った声で聞き返してしまった。

「ごめん、気が早いのはわかってるんだ。もちろん茉莉香の気持ちが追い付くのを待つつもりだよ。ただ、俺の気持ちはもう決まってるってことを言いたかったんだ」

あまりの驚きに言葉を失っている私の手を、藤瀬くんは優しく包み込んだ。

「もう12年だよ。どんなに傷付いても離れても、茉莉香への思いが消えることなんてなかった。きっと一生消えないんだと思ってた。もしも茉莉香と再会する事ができたら、もう2度と離さないようにしようって決めてたんだ。だから……」

握られた手から染み渡る藤瀬くんの気持ち。

それは紛れもなく愛だと叫んでいるようだった。

時間なんて関係なかったんだ。

大切なのは自分の気持ち。

告げられた藤瀬くんの想いに、私の心がどう答えを導き出すのか。

そんなこと、頭で考えなくてもとっくに決まってる。

藤瀬くんの言葉を受けるだけではなくて、私もはっきりと言葉にしたい。

「私からもちゃんと言いたい。私と……結婚してください」

こういうのも逆プロポーズになるのかしら?

そう考えながら、私達は力の限り抱きしめ合った……。
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