絶対領域



あずき兄さんにも余裕はないけれど、俺と違ってちゃんと姉ちゃんを信じている。


先を見据えて、行動している。



これが、15と18の違い。

総長を名乗る男の、強さ。





「とりあえず、慎士に連絡してみる。たまり場にいるだろうし」



あずき兄さんはポケットから携帯を取り出し、早速電話をかける。


その横で黙りこくる俺の背中を、空いてるほうの手で叩いた。



励ましてるつもりかよ。

自分だって冷静を装ってるだけのくせして。


ほんと、むかつく。




……あぁ、俺も早く、大人になりてぇ。


ガキなんか、嫌いだ。





「慎士に連絡したら、万と悠也も一緒に、バイク飛ばしてこっち来るらしい」



携帯をしまいながら報告するあずき兄さんに、俺は大きく頷いた。



やっと頭が冷えてきた。

苛立ちは消えないが。



「早く、来てくれ」



待ってる時間が、じれったい。


こうしてる間にも、姉ちゃんは……。



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