絶対領域
あず兄は豪快にハンバーガーを頬張りながら、しん兄、バンちゃん、ゆーちゃんの順番に見回した。
「ここにいる奴、全員、どっかおかしいじゃねぇか」
「全員って、俺も?」
「当たり前だろ」
そっか、と曖昧に含み笑いするバンちゃんに続けて、ゆーちゃんも口を開く。
「僕は違うよぉ!!」
「お前はおかしいどころじゃねぇ!」
異論を認めないあず兄に、ゆーちゃんはブーイングする。
ごめん、ゆーちゃん。
さすがに今回は、私もあず兄に賛成。
鎖の件を知っちゃったら、ね……。
「どっかおかしいから、不良なんてやってんだろ?」
うっと押し黙ったゆーちゃんを横目に、あず兄は勝ち誇った顔をする。
最初は、違ったのかもしれない。
だけど、おかしくなってしまった。
まっとうな生き方から外れなければならなかった。
自ら間違った道を選んだというのに、いつまでも矛盾は付きまとう。
「昔のあずきをちゃんと支えられていたら、おかしくなることもなかったんだろうな」
「……しん、にぃ?」
後悔を滲ませた、小さな独り言。
愛想のない表情が、わずかに陰る。
なんて言ったのかはわからなかったけれど、なぜか私まで息苦しくなった。