絶対領域




あず兄は豪快にハンバーガーを頬張りながら、しん兄、バンちゃん、ゆーちゃんの順番に見回した。



「ここにいる奴、全員、どっかおかしいじゃねぇか」


「全員って、俺も?」


「当たり前だろ」



そっか、と曖昧に含み笑いするバンちゃんに続けて、ゆーちゃんも口を開く。



「僕は違うよぉ!!」


「お前はおかしいどころじゃねぇ!」



異論を認めないあず兄に、ゆーちゃんはブーイングする。



ごめん、ゆーちゃん。

さすがに今回は、私もあず兄に賛成。


鎖の件を知っちゃったら、ね……。




「どっかおかしいから、不良なんてやってんだろ?」



うっと押し黙ったゆーちゃんを横目に、あず兄は勝ち誇った顔をする。




最初は、違ったのかもしれない。

だけど、おかしくなってしまった。


まっとうな生き方から外れなければならなかった。



自ら間違った道を選んだというのに、いつまでも矛盾は付きまとう。





「昔のあずきをちゃんと支えられていたら、おかしくなることもなかったんだろうな」


「……しん、にぃ?」



後悔を滲ませた、小さな独り言。

愛想のない表情が、わずかに陰る。



なんて言ったのかはわからなかったけれど、なぜか私まで息苦しくなった。




< 212 / 627 >

この作品をシェア

pagetop