絶対領域
「……ていうか、さっきのゆーちゃんの説明で、ひとつ引っかかった箇所があったんだけど」
「なぁに?」
「『基本的な』ってどういう意味?」
幼なじみ2人の和やかなムードに、水をさすようで悪いけど、実はちょっと気になってたんだよね。
脱出ゲームという名前なんだから、迷路みたいなものじゃないの?
「そのまんまの意味だよ~。基本的にはそういう感じってこと~」
はい?
全然わからない。
頭上に「?」を浮かべる私に、せーちゃんがゆーちゃんに代わって教えてくれた。
「基本的には迷路っぽいんだけど、それだけじゃねぇんだよ」
「クイズとかアイテムとか、時々偽情報もあったりして苦労したぜ。まっ、俺らはゴールできたけどな!」
「皆が初めてゴールできたお客さんなんだよ~」
ドヤ顔するランちゃんを、ゆーちゃんがなでなでする。
ランちゃんはすぐに「や、やめろ!!」と拒み、みーくんの背中に隠れてしまった。
やっと脱出ゲームを理解したよ。
ゆかりんが騙されたって言ってたのは、偽情報のことか。
「皆よくゴールできたね」
「最初は同じところグルグルしてたんだけど、途中から凰と緋織が率先して導いてくれて、無事にゴールできたんだ!」
みーくんは意気揚々と称えて、「なっ?」とオウサマとオリに顔を向けた。
「我と緋織氏にかかれば造作もない」
「……ただのゲームだろ。大げさだ」
「ノンノン、我らの力とチームワークがあったからこそクリアできたのだ」