絶対領域



みーくんは嬉しそうにランちゃんの肩に腕を回し、満面の笑みを漏らした。



「好きなだけココに居ろ。そんで、もっともーっと双雷を好きになれ!」



ランちゃんは泣きながら笑った。


下っ端たちも一気に明るく、賑やかになる。



笑顔は、幸せは、連鎖する。

絶え間なく、どこまでも。




何もかも解決できてはいないし、全てにハッピーエンドを迎えられてもいないけれど。


今はこれでいい。




運命はこれからも廻る。


偶然も必然も連れて。

ぐるぐる、行き場もなく。


きっと大丈夫。


目指す先は、自分自身で決めていく。



いつしか今日の出来事を笑い話にできるように。


大切なものを皆で、守り続ける。





「お前たちはたまり場に帰ったら即説教だからな!」



騒ぎに乗じて、あず兄の一喝が聞こえた。


ブーイングはない。

反省してる神亀の下っ端の姿だけが窺える。



……私も覚悟してたつもりだったけど、さらに覚悟しておこう。


何を言われても、しっかり受け止めるために。




「萌奈氏」


「ひゃいっ!?」



お説教を想像してたら変な声が出ちゃった。


不思議そうなオウサマに、あははと苦笑いしておく。




「な、何?オウサマ」


「一応ユーに謝っておこうと思ったのだ」


「へ?」


「3日前、我はユーにひどい態度を取ってしまったのでな」




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