あやかし神社へようお参りです。


 「まさかね」と苦笑いを浮かべ、胸の前で紙袋をきゅうっと抱きしる。

 急いで戻ろうと決めたその瞬間、


 「待てと申したであろうが」


 そんな声と共に、緋袴の裾がグイッと引っ張られる。

 驚いて足を踏ん張って、慌てて足元を見下ろした。


 「全く、なんて無礼な小娘だ! このみくりを誰だと心得る!」


 目元が赤い、ほっそりとした目の吊り上がった白い狐。声はその狐の口が動く度、私の耳に届いた。


 いやいやいや、狐がしゃべるわけないし。


 「おい、小娘。いま失礼なことを考えたであろう」


 ぎくり、と肩を震えさせれば、狐が目を細めて私をじろりと睨んだ。


 「こら、みくり。小さな子に絡むんじゃないよ、大人げないなあ」


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