あやかし神社へようお参りです。


 別の声が聞こえた。

 元をたどれば、例の狛狐にたどり着く。ふっくらしている方は、確か「ふくり」だ。

 目をほせめて、ふくりをじっと見つめる。


 「そんなに見つめられたら、照れるねえ」


 「え」と、間抜けな顔で宙を眺める。

 動かないはずのふくりが台からぴょんと飛び跳ねて、宙でくるりくるりと二回転したのだ。

 足音を立てずに着地すると、石の色だったその体はふさふさの白い毛で覆われていた。

 私を見上げて小首をかしげる。


 「狐につままれた顔だねえ」



 や、やっぱり喋った……!

 とことこと近寄ってきた狐たちは、私の足元に並んで座る。


 「おい、首が痛いぞ。しゃがめ、小娘」


 咄嗟に頷いてしまい、恐る恐る喋る狐の側にしゃがむ。

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