No border ~雨も月も…君との距離も~
はぁ……はぁ……

頭、痛ってぇし。 気持ち悪りぃ…

シンと翔平は、肩で息をしながらフロアの壁に並んで しゃがみ込んだ。

「 なぁ……翔平。 紗奈、泣いてた?」

「 …………。」

「 ………………なぁ…?」

「 桜。 駅前の、川沿いの…桜が…咲いたら、綺麗だろうなって。」

翔平が、長いため息をつく。

「 そう言って…泣いてた?」

「 ………。 彼女は、強いよ …だから、泣いてない。」

「 (笑) 」

「 何が、おかしいんだよ。」

「 俺、やっぱ オマエに渡せねぇーよ。」

「 ……ったく。 ダルいよっ!」

「 泣かない女……だから。
俺の前で……泣いてくれない。 俺が……頼りないから。」

「 …………だろーーなっ!」

「 オマエの前でも、泣いてないなら(笑)
俺、紗奈を…渡せない。」

「 うっせぇよ……」

「 渡せない……」

シンは、呟いて目を閉じた。


*・゚゚・*:.。..。.・゚・*:.。. .。.・゚゚・*

「 …………って。どいつもこいつも……
飲みすぎだなっ……。」

タケルが静かになった レディー・マッシュの店内を見渡す。

「 シン君、戻ってきてから、ひどいペースで飲んでたから……これも、全部 鬼娘のせいね。」

「 鬼娘…(苦笑) 夏香…さんね。」

「まぁ……シンと翔平は、あんなんやけど、めっちゃ仲良いんですよ。」

「(笑) 可愛いわよね~。二人ともっ。」

「 …………(苦笑) 」

「 まっ、羨ましいっ!!
私も イイ男 二人に奪い合われたーーいっ♡
その…何? 紗奈って子?
相当 小悪魔ね~。 鬼とか…悪魔とか…モテ男も大変ねぇ~。」

「 いや……悪魔は、相当普通やけどなぁ~。(笑)
俺は、もっとこう…胸とか尻とか…ホラ、ホラなっ~ボン、キュッって… 」

「 (笑) 期待の新人 オモロイなぁ~。」

ジェイは 宴の後のグラスをさげながら…ククッと笑った。

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