No border ~雨も月も…君との距離も~
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夏香は 翔平の車から 探していた書類を見つけて、ふと 車内のゴミ箱に目を止めた。

同じ店の、ロゴの入ったレジ袋。

「 “ オーガニック・GARDEN ” って……。」

すぐに、ピンとくる。

なんで、翔平の車内?

しかも……いくつもの空の容器。

「 …………………………。」

夏香は 無表情のまま、レジ袋をクシャッとゴミ箱の奥へ押し込んだ。

翔平まで……どうかしてる!!

夏香は モヤモヤをぶつけるように、勢いよくスライドドアを閉めた。

イラつく…………。通ってるよね この店に。

シンも 翔平も、ケンカなんかしたことなかったのに……レコーディングに来ないなんてあり得ないよね。

あの子のせいだよ。

夏香は無表情のまま 書類を持つ手に自然と力が入る。

自然と震える…力のやり場に、怒りに、震えてきた。

ashは……私の夢。



「 おいっ……。夏香っ! ごめんっ。
この前のこと、ちゃんと謝ってなかったから…
悪かったよ。」

シンは 翔平の車の前で夏香を見つけると声をかけた。

夏香は背中を向けて うつむいたまま…顔をあげようとしない。

何となく 張り詰めた空気に シンは彼女の表情を覗き込む。

「 …………。わかってる。
もう、しないよ… 」

そして、この 何となくじゃなく……ひどく張り詰めた空気に 思わず手に持っていた スマホを やんわり デニムの後ろポケットに 仕舞う。

まるで…校長室に呼び出されて 叱られる 5秒前。
……くらい ヤバい(怖)

「 誰のために……?何のために……?
私は、ここにいるの?
たまに、分からなくなるよっ。」

夏香の声が 泣いているかのように 掠れた。
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