エリート御曹司は獣でした
消えかけていた自信が、少しだけ戻ってきた気がしていた。

久瀬さんは聞き心地のいい声を、会議室に響かせる。


「いつも笑顔で周囲を明るくしてくれる。一課の社員は皆、相田さんを好いているよ。物事を斜めから見たりせずに真正面で受け止め、ひねた態度を取らないのも長所だ。素直で純粋だと思わないか?」


問いかけられた乗友さんたちは、そう言われたらそうだけど……と言いたげな顔で目配せし合い、納得しかねている様子であった。

彼女たちにとっては、私のそういう所が子供染みていると感じる要素なのかもしれない。

見方によってはマイナスにもなる特徴のようだが、私は久瀬さんが長所として挙げてくれるなら、それを素直に受け入れて喜んでおこうと思う。


私について語る彼を見ているのは照れくさいけれど、ワクワクと胸が高鳴り、それから?と催促したい気持ちにもなる。

それが伝わったのか、久瀬さんは私と視線を交わしてクスリと笑ってから、続きを話す。


< 170 / 267 >

この作品をシェア

pagetop