エリート御曹司は獣でした
「信じられるわけないじゃない。エリートな久瀬くんが選んだ恋人が、相田さん? そんなの誰も納得しないわよ。どこに魅力を感じたというの? 釣り合わないにもほどがあるわ」


ものすごく失礼だけど、そう言われても仕方ないと私も思う。

美人で大人っぽい乗友さんの方が、私よりは久瀬さんに似合うので、悔しさから信じたくない気持ちになるのも理解できた。


久瀬さんが私のためについてくれた恋人という嘘を、私から否定することはできず、どうしようという視線を彼に向ける。

すると、大丈夫だというように微笑んでくれた彼は、乗友さんの質問に堂々とした声で答えた。


「毎日を全力で楽しむ相田さんは、見ていて気持ちがいい。大人になれば、夢中になれるものを見つけるのが難しい。俺もまだ見つけていないから、相田さんを羨ましく思うし、尊敬もしている」


それは……肉のことかな?

なるほど。確かに大人になれば、子供の頃のような無邪気な好奇心を維持し続けるのは難しく、夢中でなにかを楽しむ機会はそうそうあるものではないだろう。

大人になっても全力で肉食を楽しんでいる私は、毎日幸せだ。

久瀬さんは、私の行き過ぎた肉好きを、呆れずに肯定的に捉えてくれている。

そう思っていいんだよね……?


< 169 / 267 >

この作品をシェア

pagetop