恋の神様に受験合格祈願をしたら?
想像しようとした瞬間、胸がチクリと痛んだ。
 あれ?
 えっと、菅野さんの恋人はきっと……。
 また想像しようとしたら、胸が締め付けられたみたいに苦しくなった。
 なんでだろう?
 菅野さんの彼女だよ。
 きっと物凄い美人だよ。
 眼福だよ。
 見て見たいと……。
 あれ?
 どうして?
 可愛いモデルさんとか、美人な女優さんとか見るのは大好きなのに、菅野さんの彼女は見たくないって思っちゃう。
 一生、知りたくないって……胸が……苦しい……。
 涙が……溢れそう。
「ニコ、どうしたの? 大丈夫?」
 ハルちゃんが心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「気分悪いなら言いなよ?」
 リカちゃんが私の背中を優しくさすってくれた。
「大丈夫。そうじゃないの。そうじゃなくて……」
 2人にこの気持ちをどう説明していいのかわからなくて、私は笑顔を作ると頭を横に振った。
「ではここで、1回トイレ休憩を挟もうか」
 会議の途中、菅野さんが声をあげた。
 会長がビックリした顔で菅野さんを見る。
「会議、もうちょっとかかりそうだし、喉渇いた人もいるんじゃない? 休憩は15分。トイレ行ってから、飲み物買って戻ってくるのに十分な時間だよね。では、ここで一旦解散」
 菅野さんがパンと手を合わせると、会議に居合わせた人たちがバラバラに立ちあがった。
 菅野さんの元へ生徒会メンバーが集まり、ただならぬ様子で話し込んでいる。
 どうしたんだろう。
 私たちもいったほうがいいのかな?
 とにかく、菅野さんたちの元へ行こう。
 立ち上がった私の手首を、リカちゃんが掴んだ。
 ハルちゃんが後ろから私の両肩をガッチリと掴む。
「ハイハイ、ニコは前じゃなくて外。外に行く!」
 リカちゃんが問答無用とばかりに私の手首を引いた。
「そうよ。具合悪いんでしょ? でも会議に出たいでしょ? 副会長を眺めてたいんでしょう? だったら、1回外にでて休憩しよう」
 ハルちゃんが、後ろからグイグイ押す。
 そして、私は廊下へと出されてしまった。
 ハルちゃんがドアを閉めた。
 けど、すぐにドアは勢いよく開いた。
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