恋の神様に受験合格祈願をしたら?
「ああ、なるほど~」
 リカちゃんと、
「やっぱり~」
 リカちゃんの2人が勝手に納得する。
 えっ?
 どうしてわかりあってるの?
 置いてけぼりの私は、2人を見やった。
「ここのメンバーで一番好みが難しくて煩いのが、ヒロと大志さんだもんな~」
 マモル先輩はまだクツクツと笑いながら、ヒロ先輩と菅野さんを見やった。
「合わない人と無理やりいても苦痛でしょう。最初から無理難題を吹っかけた方が楽ですから」
 ヒロ先輩がシレッと答え、
「俺の場合、自分に好みがあったことにビックリしてるというか……」
 菅野さんは首の後ろを掻きながら、頬を赤らめつつ言いよどむと、
「お前ら、もうわかってるだろう!」
 会長たちに怒鳴った。
「まあ、そんなわけだ」
 会長がクスクス笑いながら話を締めたけど、全然話についていけない私はポツンとしてしまった。
 ようやく顔をあげた仁美先輩が、笑いすぎて出てきた涙を拭うと、私の頭を撫でた。
「でも、これだけは確かよ。ヒロはわかんないけど、大志の好みはとってもいいの。私が男だったらドンピシャな好み」
 仁美先輩は私に微笑むと、「ほらほら、もっと食べて?」と私たち3人にポテトチップをススメた。
 ススメられるまま、私はポテトチップをつまんだ。
「副会長の好みはよくわかりました。ありがとうございます」
 菅野さんは大した発言をしていないのに、ハルちゃんも会長たちと同じで色々納得したらしく、満足そうな笑顔を浮かべた。
「つまりねニコ。副会長は現在フリーで、女性遍歴ゼロ。どうやら女性に対して付き合いたいとう欲望も好みも今まではなかったみたいってこと。わかる?」
 リカちゃんがグイッと私に顔をよせてきた。
「菅野さんに彼女がいないことは……」
 それ以外はよくわかんない私は、とりあえず頷いた。
「それさえわかればよし!」
 リカちゃんが楽しそうに私の両肩を叩いた。
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