恋の神様に受験合格祈願をしたら?
6章 見られてもいい涙

【side:菅野大志】

 保健室。
 ニコちゃんと二人きりになった。
 ニコちゃんは騒ぎの原因として自分も叱られると思ってるけど、それが本当なら、世の中に『加害者』と『被害者』は存在しない。全員まとめて『犯罪者』だ。
「はい、終わり」
 俺はドライヤーのスイッチを切った。
 サラサラで艶々のニコちゃんの髪は、触れれば触れるほど癖になる触り心地だ。
 もっと触っていたかったけど、乾いた髪にドライヤーを当てすぎるのも良くないだろうし……。
 仕方がない。
 ここは我慢だ。
「ありがとうございます」
 ニコちゃんが申し訳なさそうに何度も頭を下げてくる。
 俺はテキパキとドライヤーと延長コードを片付けながら、
「やりたくてやったから気にしないで。それより、ニコちゃんの髪って艶々だね。もっと触りたかった」
 本音を漏らした。
 それがちゃんとニコちゃんに伝わったかはわからないけど、ニコちゃんはようやく血の気が巡ってきた頬を赤らめると、紙コップに口をつけた。
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