オジサンに恋しちゃダメですか
9時半よりも5分前。

会社に着いた私が、まずやった事は、生あくびだった。

あー、眠い。

いつもだったら、昼間まで寝ているのになぁ。

何が悲しくて、出勤してんだろう。

あっ、そうだ。

課長に、ご馳走してもらうんだっけ。

頑張んなきゃ。


「おはよう、瀬田ちゃん。」

「四宮君。おはよう。」

あれ?と思った。

「……四宮君、普段着?」

「うん。スーツじゃなくても、今日はいいって、外川課長が言ってたから。」

私の頭の上に、雷が落ちた。


どうしよう。

一人でスーツ着て、やる気満々だなんて、恥ずかしい。


「おはよう。瀬田、四宮。」

「げっ!外川課長!」

私は恥ずかしくて、外川課長に背中を向けた。

「なんだ?瀬田、具合でも悪いのか?」

「い、いえ……」
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