オジサンに恋しちゃダメですか
「瀬田ちゃん。今日私服でいいの聞かされてなくて、スーツで来たんですよ。」

ああ、四宮君。

それ以上、私の事は放っておいて。

また、『馬鹿か。』って、笑われるだけなんだから。


「悪い。俺、いい忘れてた。」

私は茫然としながら、ゆっくり振り返った。

「ああ、でもその格好も、可愛い可愛い。俺、瀬田のスーツ姿、好きかも。」

一瞬、何を言ってるんだか、分からなかった。

「えっ?」

時間が経つにつれて、その意味が頭の中に入って来る。

いつの間にか、耳の端まで赤く染まっている。


「確かに、瀬田ちゃん。スーツ姿似合ってるかも。」

「あ、ありがとうございます。」

二人にお礼を言って、少しだけ自信が付いた。

勝負服のスーツ姿。

あながち、まちがってないから。
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