オジサンに恋しちゃダメですか
私、四宮君と付き合った方が、いいのかな。

ああって言うか、私。

四宮君の告白、断ったんだっけ。

こんな時に、調子よく思い出すな。

そう言えば四宮君、私に告白を断られて、どんな思いで乗り越えたんだろう。

そんな事を考えたら、じわっと、涙が溢れた。


「ええ!会社で泣かないでよ、奈津菜。」

「そんな殺生な~!」

春乃のおかげで、涙は直ぐに吹き飛んだ。


その時、外川課長が出社したのが見えた。

「春乃。私、化粧直してくるね。」

「ああ、うん。」

私はわざと、課長の側に歩み寄った。

「課長、おはようございます。」

「おはよう。」

いつもと同じ挨拶。

よかった。

仕事でもギクシャクしてたら、大変だもんね。


私はルンルン気分で、トイレに駆け込もうとした。
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