ずっと・・・
少し不安そうにそんなことを言う。
確かに、目の前には水族館がある。
どこへ行きたいとか言った訳じゃないから、どこでもいいんだけど……。
「あははっ!確かにベタだけど、そんなとこ気にする?」
真剣にそんなこと言うものだから、思わず笑ってしまった。
彼が行き先について真剣に悩んでいたかと思うと、少し意外な気もした。
適当にあっちこっち行くんだと思ったから。
それに、普通の場所で安心した。
まさか高校生で金銭感覚狂ったとこには行かないだろうと思っていたけど、それでももしかしたらがあるかもしれないから。
「ちゃんと笑えるじゃん」
「え?」
「そういう風に笑うの、初めて見た」
優しい眼差しで言う。
確かに、彼の前で笑ったことなどないかもしれない。
いつも困惑しているから。
それに、本当の気持ちを悟られてはいけないから。
「しかも、外に出てその格好だともっと素が出るんだな。堂々としているし、表情は柔らかいし、敬語はなくなるし」