ずっと・・・



私を見て、そう言った。

何かを含んだ言い方に、少し引っ掛かった。

ただ、それ以上は何も言わなかった。

気になったけど、彼がいる手前、聞くことは出来なかった。


「壮絶ないじめにあったことがあるあなたなら、他人の痛みを理解することが出来ますよね」


彼が席を離れたとたん、理事長がそんなことを言った。

驚く私をよそに、話しを続けた。


「学校の姿が自分を守る防御。そして、言われっぱなしにならないよう強気な性格になった。
そういう器用なところがあれば、佑介とも上手くやっていけます。親戚に何言われても大丈夫でしょう」


理事長は、知っているんだ。

私が素を隠す理由を。

そう思ったら青ざめてしまった。

この3年間、誰にもバレずにやってきたのに。


「大丈夫です。佑介にも誰にも言いません。私とあなたの秘密にします」


にっこり笑って言う理事長を信じていいものか迷った。

普段、2人がどの程度話すか分からない。

でも、何かの拍子で話してしまうことだってあり得る。




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