ひとりだと思っていた君へ
4

文化祭まであと三日。準備も大詰めとなり、あまり参加できていなかった柚月も放課後教室で、準備をしていた。

少し休もうと自販機で飲み物を購入して湖夏と一緒に教室に向かっていると、ハローくんからメールが来て、柚月は飛び上がりそうになった。

「湖夏、ハローくん、文化祭来るって」
「まじで。まじで見れるの? 超会いたい超会いたい超会いたい。楽しみだね。二人で回っちゃえば?」と肘で小突いてくる。

それから改めたように
「てかさ、話を聞くとやっぱり虐められっこだよね。学校行ってないとか。でも聞けないよね。そういうの。うん。そういう傷口をさ、優しくなでてたらきっと付き合えるよ、柚月」
「何それ」
「なんとなくうまくいきそうな気がするってこと」
「うーん」

そう言われてもピンとはこない。
ただ虐めのことは定かではないし、きっとそういう大事なことは話したいときに言うものだ。
話したくないことを訊かれるのも嫌だ。
柚月にも人に話したくないことがある。
だから彼がどんな境遇にいるのかなど、あまり訊かないのもそのせいだ。
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