BRST!



―――――――――――――…



数日後。


昴くんと私は、マンションに帰る前に祖父の墓参りに来た。


響兄にも連絡したのだけれど、どうやらお店が繁盛しているようで手が離せないらしい。


緑の葉に覆われた石段を上り、"相川家"と書かれた墓石の前までたどり着いた。


「おじいちゃんが亡くなってから今年で5年、ですね…。」

「……ああ。」


祖父は私たち三人の能力の秘密を知る唯一の人だった。


その祖父が他界してから、"他言無用"という先祖からの言い付けを守っている私たち。


これまで露見してしまった事は些少ながらあったけれど、その度に響兄の"記憶操作"によって事無きを得てきた。


祖父が亡くなって初めて、秘密を共有できる人間の有り難みを知ったものだ。

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