BRST!



「じいさん、俺らが"石"まで作れるようになったって知ったら驚くだろーな。」

「ですねー…。」


祖父が生きていた頃の私たちは、まだまだ能力のコントロールが未熟でしたから。


暫く昴くんと二人で物思いに耽っていたけれど、ふと合った視線に促されて手を合わせ目を閉じた。


「(…おじいちゃん、)」


私たちは変わらず元気に過ごしていますよ。


出生と共に与えられた"能力"は絶対に闇に染まらせたりしませんから。


どうか見守っていてくださいね。


ゆっくりと瞼を持ち上げれば、尚も目を閉じ佇む昴くんが視界に映り込んだ。


…彼もまた、祖父に対して思うところがあるのだろう。昔の昴くんは頻繁に"能力"の暴走を起こしていたことを思い出す。


と。

「待たせたな。行くかー。」

「あ、はい!」


怠い足取りで祖父の前から立ち去るその後ろ姿を慌てて追い掛けた。


その表情は見えないけれど、私にはその背中が酷く寂しげに見えたから何も言わなかった。


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