BRST!
「し、しょうがねーだろ!何て言えばいいか分かんなかったんだよ!」
「めっちゃ勘違いしたんですからね!完全に愛想尽かされたと思ったんですから!もう……本当に、」
あれ、と。
思ったときには目から涙が溢れ出していて。
泣くべくして泣いた訳ではない私は、とめどなく溢れる涙に驚き戸惑っていたのだけれど。
そんな私を至近距離から見つめていた昴くんは、ゆるりと目許を緩めて私の手を取った。
歯型のついた、左手の、薬指を。
「物なんか代えがきくだろ。」
「…、」
「でも稜はたった一人だけだ。」
「、」