BRST!



そして彼は、その唇から惜しげもなく愛を囁くんだ。




「愛してる、心から。」

「…、…私だって。」




通されたばかりの、二人の左手薬指の指輪がキラリと輝いた。


熱くなる目頭から数滴の雫を流して、私は昴くんに抱きついて。




――そんな私を、彼は哀しみに耐えるような表情で見守っていた。


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