たぶんこれを、初恋と呼ぶ



「う、梅ちゃん!」

「は、はい」

「誕生日おめでとう!」


え、このタイミングで?

と、目が点になる。

安尾くんは非常にわかりやすい時もあれば、このように本当に読めない時もある。



「あ、ありがとう…」

「あの、あ、開けてもらっていいかな!?」


何故こんなに挙動不審なのだろう。

安尾くんは未だにピンと直立している。


恐る恐る包みを開けると、キラッと輝いた。


「うそ……」


中身は指輪だった。
ファッションでつける類の、軽い意味の指輪じゃない。


ダイヤが輝いていて、ケースにも重みがあって。

きっとこれは、私の勘違いでなければ、婚約指輪だ。





「…でもこれって…」


まさか安尾くんに、指輪をもらう日が来るなんて。

私はまだムッちゃんのそばにいたいし、ムッちゃんがいる限り、結婚なんてするつもりはないと思っている。

安尾くんもそれを分かってくれていると思うし、いつかはと思ってはいたけれど、彼の性格上もっとゆっくりと時間をかけて進んでいって、だいぶ先の話だと思ってた。



「梅ちゃん、一緒に暮らそう」

「え……」



安尾くんからそう言われて、夢のように、とても嬉しかった。

でも、と私が口を開く前に、安尾くんは言った。


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