本当に優しいのは、君でした。(短)
いつか、会いに行こうと思ってた。

だけどまさかっ。

ピンポーン。


「舞ちゃん、お母さん達帰って来たよ」


冷たくなった遺体。

豪快な笑いも、物音も何もない。

ただ、真っ白な顔が二つーー部屋に運び込まれた。


「あっ、ママだ。
ママ?」


「ママ、ねてるの?」


ねえ、なんか言ってあげてよ。

泣きそうに顔を歪めた子ども達に、かけてあげる言葉が浮かばない。

「お母さん、お父さんーーおかえり」


ただ、舞が少し顔を歪めて呟いた。


だけど彼女は、泣かない。

「舞ちゃん、泣いていいんだよっ」


親戚のおばさん。
何回か会ったことある。

「私はーー泣かない」





舞がそう呟いた時ーー、おばさんが目を見開いた。



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