結婚前夜
そして何より仕事も出来ると評判だ。

女性にも優しく、社内で中島課長を狙っている女性は沢山いた。

なのに、中島課長がお見合いを部長にお願いした。
しかも、私を名指しで。

これを聞いた人事部長が喜び勇んで私の上司である総務部長に話を持って来て、人事部長からの話だから断れなかったと、私に泣きついてきた。

お見合いの日取りが決まり、休日の朝から私はイングリッシュガーデンが綺麗だと評判の博物館に呼び出された。

仲人である部長達は居なかった。
部長達は、若い人だけでと気を回したらしいが、私は逆に部長達に居て欲しかった。

何故なら、中島課長と一体何を話せばいいのだろう。

会社では顔を合わせた事はあるものの、話なんてした事のない人だ。

況してや高スペックの中島課長と、一般庶民の私。

全然釣り合いなんて取れていないし、きっと住む世界だって違うだろう。

総務部長を通して渡された釣書は、私との格差を見せ付けられた。
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