結婚前夜
気が付けば彼女は、俺の胸に顔を埋めていた。
そしてそんな彼女を、俺は抱きしめている。

「…私だって、あなたに何も言えなくて。

まさか私の事を好きになってくれるなんて思ってもみなかったから。

何で私なんだろうって、ずっと思ってた。

…大人しくて、従順だから、何を言っても言う事を聞くお人形の様な存在だから」

「それは違う!
優奈、僕は君の控え目な性格、嫌いじゃない。

でも、君を沢山甘やかしたいんだ。
だから、思っている事を何でも言って欲しい。

明日から、僕のお嫁さんなんだから」


そう言って、彼女の唇に甘いキスを落として行く。

キスをしたのは、半年前のお見合いのあの日以来だ。

優奈、君がほしくて堪らない。
だから…。

「…明日からは、夫婦としての営みも、覚悟しておいてね」


耳元で、甘く囁いた。

結婚前夜。

明日からは、もう遠慮なんてしない。

君は俺のもの…。




ー終ー
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