契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
「撤回は認めないぞ。俺は〝二位〟な」
「あ、ちょっと待ってください!」
小走りで彼の長身に追いつき、また並んで軽口をたたきあう。
〝二位〟という順位は適当に口から出ただけだったけれど、うまくいけば本当にそうなるかも?なんて思いつつ、私たちは広い庭を横切った。
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彰さんの家は、外観こそ純和風だったけれど中は和室ばかりというわけでもなく、リビングダイニングにキッチン、ベッドルームやバスルームはすべて今風で、使い勝手のよさそうな部屋だった。
インテリアの色味は落ち着いた黒やブラウンが多く、彼のセンスの良さが窺える。
寝室には同じ大きさのベッドが三十センチほどの空間をあけて二つ並び、別々に寝るんだとわかって思わずホッとした。
たとえベッドがひとつでも、彰さんが私にその気になるなんてあり得ないのは百も承知。
それでも私だっていちおう年頃の女性なわけで、ちょっとだけ緊張していたのだ。