◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。

 黙り込んでしまった尚貴をそっと見上げる。綺麗なその瞳に浮かんでいるのは、痛みと悔しさと畏れ……に見えた。
 尚貴が愛里の視線に気付いてこちらを向く。

「ごめんなさい、エリンギちゃん」

 そう言って、尚貴は愛里の手を握った。
(わ……!)
 真っ白な長い指がひんやりと愛里の右手を掴み、もう片方の手も添えて包まれる。
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