◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。

「わ、私も、その……」
 愛里はなけなしの勇気を奮い立たせる。
「やっと会えて、嬉しかった……です」
 空いている方の手で、尚貴の頭を撫ぜてみる。やっぱり細い髪質で、それでいて艶やかで、何の香りだろう? 高貴な香水の匂いがする。

 頬が熱くなっている。
 顔が真っ赤になっていると思う。
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