上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※

藤井家の両親は私と5つ上の兄 涼太に分け隔てなく愛情を注いでくれて、素直に私も両親の事が大好きだし感謝してもしきれないほどだ。


高校卒業後デザインの勉強をしたくて東京の大学に進学する事を決めた時、両親に奨学金制度の申し込みをしたいと伝えた。


藤井家の娘となってから何一つ不自由のない生活をさせてくれた。


家を出て、両親から離れて暮らす人はたくさんいると思う。でも、養子という立場では違がう!
私はどこかで境界線を張っていたんだと思う……。
結局お金の事は両親も譲らなくて最終的に私が折れる形で学費全般と生活費を出してくれた。


大学を卒業後もやりたい仕事が東京しかなくて今の会社に就職が決まった時なんかは涼太まで出てきて「セキュリティーがしっかりしてないと!」と言って私の意見はまる無視で勝手にマンションを契約してくる始末。


私1人で住むだけなのに2LDKって広すぎでしょ。
でも涼太は寝室と仕事部屋は別がいいんだ、と言って譲らないし……。

結城課長のマンションに比べたらたいしたことないかもしれないけれど、私のお給料ではとてもじゃないけどやっていけないのに本当にこれでいいのかと思ってしまう。


「亜子が元気でいてくれればいいんだ。 だからちょくちょくオヤジとオフクロに顔見せに来い」

目元がお母さんとそっくりな涼太の笑顔は同じように優しくて私の考えてることなんて丸見えなのだろう。


涼太の言葉に、私の帰る家はあるんだよ!って言われた気がして思わず涙ぐんでしまったっけ……。
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