上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※


翌日からは予想してた通り大坂支店のトラブルに追われる。
トラブルと言ってもクライアント先とのものではなかったためホッとする。パソコンを使って大阪支店の担当者とやり取りをしながらこちらから修正を試みる。
だがより細かな部分を見極めるにはやはり現地に行った方が早い。
結局その日の午後、大坂に向かった。



大坂支店に着きトラブルの元を調べ修正してから再発防止の為に担当者とより良い方法をいくつか検討し様子を見ることにした。

その後会社に連絡を入れ念の為2日間こちらに残ることに決め宿泊先のホテルを手配した。

夜は大坂支店の人達から美味い飲み屋に連れてってもらい早めにホテルに戻った。

シャワーを浴びて自販機で買った缶ビールを飲みながらベッドに座る。
携帯を見ると着信が2件あった事を表示している。
着信の相手は2件とも同じ人物からで4つ上の兄からだった。


用があればメールをよこすくらいの兄から電話なんて何かあったのかと思いかけ直した。

「ひさしぶりだな、 声を聞く分には元気そうだな。 今ちょっといいか?」

俺に確認を取ったあと兄は話し続けた。
「実は父さんがお前に見合いをどうかと言っている。お前も30だろ? すぐに結婚という訳じゃないが相手を見つけて落ち着くのもいい頃じゃないかってことなんだ」

「結婚とか興味ねぇよ」

「まぁ、そう言うな。 親は心配するものだ。
だが父さんがそのまま話したらお前たち喧嘩になるだろう。 だからおれが変わりに電話したんだよ」


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