上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※


“ ゆっくりでいいから亜子も好きになろう ”



中学生になった頃、私は心が不安定になっていた。
どんなに大切で大好きな人たちとの出会いもいつかは別れがある……。


我ながら子供のくせに生意気な事を思ってた。
きっと両親との別れが自分でも気づかないうちに不安と言う形で私の心を埋めてったんだと思う。



お母さんの言葉はあの時の私を見てのものだった。


あれから大学を卒業するまで毎年お花見に行ったんだった。
お母さんと一緒にお弁当を作ったりお父さんと涼太も入れてゲームしたり。
いつの間にか辛い思い出だったことが楽しい思い出になっていた。


桜を嫌いだったなんて忘れてた……。
なんて自分勝手なんだろう。

でも、お母さんの言葉があったから私はパパとママを今でも愛してる。


その時、あっ!と思い出してベットから起き上りリビングへ向かう。
壁際にあるミニチェストの上に飾られているパパとママの写真。後ろには満開の桜の木が写ってた。


この写真は私が高校生になった時お母さんから貰ったものだ。

「写真を整理していたら出てきたの」


あの時お母さんはそう言った。
でも違った。
きっと私が受け入れられるまで待っててくれたんだ……。

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