私の専属王子は金髪君


「あー!今日もジメジメ!!
髪の毛終わる…。」


もうやだ!!と
髪を必死にストレートに戻す菜月。


季節は梅雨を迎えようとしていて
湿気と戦っていた。


「そんな言うほどひどくないよ?」


とフォローを入れてみたけど
無駄だった。
というかむしろ逆効果。


「凛に言われたくなーい!
なに、その敵無しの綺麗な黒髪!
真っ直ぐ艶々!!
羨ましすぎる~~~!」


うぅと唸りながら
身体をグラングランゆすられ
視界が歪んだ。


「ちょ、菜月離して…」


私の静止なんて無視して
肩から手を退かしてくれないから
気が済むまで待つことにした。



確かに私の髪は湿気に強い。
雨だろうと晴れだろうと
朝起きて櫛でとかせば
髪のセットは完了する。


これだけは自慢だ。
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