私の専属王子は金髪君
痛む胸

夢のような、
遠い昔の記憶のような…。


考えても分からないけど、
昨日が七夕だったから
こんな夢を見たんだろう。



昨日、玲央は数分私を抱きしめた後、
ケロッとした顔をして


「プレゼントありがとう!
大事にするね。」


そう言って、今までの雰囲気を取り戻した。



やっぱりこの切替の早さには慣れなくて、
それに、せっかく戻った雰囲気を
壊したくなくて
本当の理由を聞くことは出来なかった。



…私は時々玲央が分からなくなる。


一番近くにいて、
一番玲央の事を知っていると、
そう思っているけど
切なげに笑う玲央の笑顔の裏に
何が隠されているのか、
知ることが出来ない。


それは、私が踏み込めない領域で、
玲央も私には見せる事のない心。


すごく寂しいけど、
いつか、その抱えているものを
明かしてくれたらそれでいい。
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